育休から復帰したばかりなのに、「もう辞めたい」と感じることがあります。復帰前に想像していた働き方と、送迎・通勤・子どもの体調不良・職場の受け入れ方を含む現実が違えば、気持ちが揺れるのは不自然ではありません。
ただし、つらさの原因が一時的な疲れなのか、勤務条件の問題なのか、今の会社では解決しにくいのかで選択肢は変わります。この記事では、退職を急いで決める前に確認したい5項目と、残る・条件を変える・転職する場合の考え方を整理します。
結論:復帰後すぐ辞めたい気持ちと、今日退職する判断は分けてよい
「辞めたい」と思った時点で、必ず退職しなければならないわけではありません。一方で、育休を取ったから何か月も我慢しなければならないという一律のルールもありません。
最初にするのは、辞めたい自分を責めることではなく、何が変われば続けられるかを分けることです。勤務時間、仕事内容、通勤、職場の対応、家庭の分担のうち、どれが一番重いのかを書き出します。
育休復帰後に辞めたくなる3つの状態
1.生活が回らず、心身の余力がない
朝の支度、送迎、勤務、迎え、家事、夜間の育児が続くと、復帰前には見えなかった負担が一気に表れます。子どもの発熱や呼び出しが重なれば、自分の体調を立て直す時間もなくなります。
この状態では、退職か継続かの二択にせず、休暇、時短勤務、残業免除、在宅勤務、家族の分担など、今週の負担を下げる方法から確認します。心身の不調が強い場合は、仕事の判断より受診や休養を優先してください。
2.説明された復帰条件と実際が違う
復帰後の部署、勤務時間、業務量、勤務地が想定と異なり、育児との両立が難しくなることがあります。まず口頭の説明だけでなく、雇用契約、就業規則、復帰前のメール、勤務表を確認し、事実を残します。
育児休業の取得を理由とする解雇、退職強要、不利益な配置変更などは禁止されています。疑問がある場合は、人事だけでなく都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナーも相談先になります。
3.条件を変えても、この会社では続けにくい
時短にしても通勤が長い、急な休みを取れる雰囲気がない、育児への理解がなく罪悪感ばかり強くなるなど、勤務時間だけでは解決しない問題もあります。何を変えてもつらさの中心が残るなら、別の職場を調べることは逃げではありません。
退職・転職の前に確認する5つのこと
確認1|一番つらい原因は何か
「仕事全部」とまとめず、時間、場所、人間関係、業務量、評価、家庭の分担に分けます。一番重い原因が分かれば、制度で変えられる問題と、会社を変えなければ残る問題を区別できます。
確認2|時短・残業免除・柔軟な働き方で改善するか
3歳未満の子を養育する労働者には、一定の要件のもと短時間勤務制度があります。会社独自のフレックス、在宅勤務、看護休暇、時間単位有休も含め、使える制度と実際に利用できる条件を確認します。
確認3|2025年4月開始の育児時短就業給付が使えるか
2025年4月から、2歳未満の子を養育するために時短勤務を行い、賃金が低下した雇用保険の被保険者を対象とする育児時短就業給付が始まりました。原則の給付率は時短勤務中の賃金の10%ですが、支給要件や調整があります。退職を決める前に、勤務先またはハローワークへ自分が対象になるか確認します。
確認4|退職日で変わる手続きと家計
退職後すぐ働くか、しばらく育児を優先するかで、雇用保険、健康保険、年金、保育園の扱いは変わります。保育園の就労要件や求職期間は自治体ごとに確認が必要です。退職日だけを先に決めず、手続きの期限と当面の生活費を一覧にします。
育児休業給付については、育休開始時点から退職を予定していた場合と、受給資格確認後に事情が変わって退職することになった場合で扱いが異なります。育休中・育休後の退職と給付金の確認点もあわせて確認してください。
確認5|次の職場で外せない条件
「今より楽そう」だけで転職すると、別の形で両立が難しくなることがあります。通勤時間、始業・終業時刻、残業、在宅勤務、子どもの急病時の対応、休暇の取りやすさ、試用期間中の条件を、応募前に確認する項目へします。
残る・条件を変える・転職するの3ルート
| 選択肢 | 向いている状態 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 今の会社に残る | 慣れや一時的な疲れが中心 | 休暇、分担、業務量 |
| 条件を変える | 時間・場所・部署が変われば続けられる | 時短、異動、在宅、残業免除 |
| 退職・転職する | 会社や職種との不一致が中心 | 家計、保育、次の職場の条件 |
結論を今日出せない場合は、「2週間だけ制度を確認する」「転職サービスで求人条件を3件見る」など、判断期限と確認項目を決めます。期限のない我慢と、情報を集めるための保留は違います。
会社へ相談するときの伝え方
まだ残る可能性があるなら、「復帰後の働き方について相談したいです。現状は送迎と勤務時間の両立が難しく、〇時までの勤務または週〇日の在宅勤務が可能か確認したいです」と、困りごとと希望条件を分けて伝えます。
退職を決めている場合は、相談ではなく意思として伝えます。育休中・育休後の退職理由と上司への例文に、面談依頼メール、電話の第一声、引き止めへの返し方をまとめています。
今の会社以外も見てから決めたい人へ
転職を決めていなくても、求人を見ることで「今の会社だけが難しいのか」「働き方そのものを変える必要があるのか」を比較できます。登録先を増やす前に、自分が求める支援と担当者の相性を確認してください。
まとめ:育休を取ったことと、今後の働き方は分けて考える
育休復帰後すぐに辞めたいと感じても、育休を取った自分を責める必要はありません。復帰して初めて分かる生活上の負担や、職場とのずれがあります。
まず一番つらい原因を分け、制度や条件変更で解決するかを確認します。それでも今の会社では続けにくいなら、家計と保育の手続きを確認し、次の職場で外せない条件を決めてから動きます。














