台風でも出勤させる会社はおかしい?危険な出勤命令・給料・有給の考え方

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台風の日に「通常どおり出勤してください」と言われると、「この会社、おかしいのでは」と感じるのは自然です。

ただし、台風時の出勤指示がすべて直ちに違法になるわけではありません。大事なのは、警報や避難情報、公共交通機関の運休、道路の冠水、帰宅困難の可能性などを無視して、会社が一律に出勤を求めていないかです。

この記事では、台風でも出勤させる会社に違和感がある人に向けて、出勤判断の基準、欠勤・給料・有給の扱い、会社への伝え方、そしてその職場に居続けていいかの見方を整理します。

台風でも出勤させる会社はおかしい?結論は「危険を軽視するならおかしい」

台風でも出勤させる会社がすべておかしい、とは言い切れません。医療、介護、交通、インフラ、自治体、宿泊、警備など、災害時にも誰かが現場を支える必要がある仕事はあります。

一方で、在宅勤務や時差出勤で代替できる仕事まで「とにかく来て」と言われる場合や、警報・運休・避難情報が出ているのに通常出勤を前提にされる場合は、会社の安全感覚に疑問を持ってよい場面です。

労働契約法では、会社は労働者が生命や身体の安全を確保しながら働けるよう配慮するものとされています。つまり、台風でも業務があるから出勤、で終わらせるのではなく、通勤経路の危険、帰宅できなくなる可能性、在宅勤務や時差出勤で代替できるかまで見て判断する必要があります。

特に問題になりやすいのは、「自己判断で」と言いながら、実際には休むと欠勤扱い・評価低下・嫌味につながる職場です。判断だけを個人に渡し、責任や不利益は本人に負わせる運用なら、働く側がしんどくなるのは当然です。

台風で出勤するか迷ったときに見るべき4つの現実

台風の日は、「行けるかどうか」だけで考えると無理をしがちです。見るべきなのは、いま出勤できるかだけでなく、安全に着けるか、帰れるか、代わりの働き方があるかです。

現実1|警報・避難情報が出ているなら安全優先で考える

自治体の避難情報や気象警報が出ているときは、会社の都合よりも身の安全を優先して考えるべきです。特に、自宅周辺や通勤経路で冠水、土砂災害、暴風、河川の増水が起きている場合は、通常どおりの出勤を前提にしないほうが安全です。

会社に連絡するときは、「台風なので怖いです」だけでなく、「自治体から避難情報が出ている」「自宅周辺の道路が冠水している」「暴風で安全な移動が難しい」のように、事実を添えて伝えると状況が共有しやすくなります。

現実2|電車やバスが止まっているなら無理な代替出勤は慎重にする

電車やバスが運休しているのに、タクシー、自家用車、徒歩、自転車で来るよう求められることがあります。しかし、公共交通機関が止まるほどの状況では、代替手段も安全とは限りません。

タクシー代が出るかどうかだけでなく、そもそも移動してよい天候なのか、帰宅手段が残るのかを確認する必要があります。片道だけ出勤できても、帰れなくなるなら勤務の続け方を会社と相談したほうがよいです。

現実3|車・自転車・徒歩でも危険なら出勤を前提にしない

車通勤なら大丈夫、自転車なら行ける、徒歩なら何とかなる、という判断も危険です。台風では、道路冠水、倒木、飛来物、視界不良、強風による転倒などが起こります。

「電車が止まっていないか」だけで判断せず、自分の通勤手段で安全に移動できるかを見てください。会社に伝えるときも、「車なら行けますか」ではなく、「現在の道路状況では安全な通勤が難しいため、在宅勤務または時差出勤が可能か確認したいです」と具体的に相談するほうが現実的です。

現実4|「自己判断で」は責任が個人に寄りやすい

台風時に会社が「自己判断で」とだけ言う場合、働く側はかなり迷います。休んでいいのか、欠勤になるのか、評価に響くのか、出勤した人だけが評価されるのかが分からないからです。

自己判断と言われたときほど、勤怠の扱いを確認しておくことが大切です。厚生労働省の災害時Q&Aでも、出勤できなかった日の賃金は就業規則などの定めがあればそれに従い、定めがない場合でも労使で十分に話し合い、不利益をできる限り回避することが大切だと整理されています。「本日は在宅勤務、時差出勤、特別休暇、有給、欠勤のどの扱いになりますか」と聞いておくと、あとから認識違いになりにくくなります。

台風で出勤できないときに確認すべき3つの扱い

台風で出勤できないとき、読者がいちばん不安になるのは「給料はどうなるのか」「勝手に有給にされるのか」「欠勤扱いで評価が下がるのか」です。ここは、会社の就業規則と当日の指示を分けて確認します。

確認1|欠勤・遅刻・特別休暇の扱い

自分の判断で出勤しない場合、会社の規定によって欠勤、有給、特別休暇、遅刻、在宅勤務など扱いが変わります。公式Q&Aでも、出勤できなかった日の賃金は労働契約・就業規則などに定めがあるかをまず見る考え方です。台風だから必ず給料が出る、台風だから必ず欠勤になる、とは一律に言えません。

まず確認したいのは、就業規則や社内ルールに「台風・災害・公共交通機関の運休時の扱い」があるかです。特別休暇がある会社もあれば、有給申請を認める会社、遅刻扱いにしない会社、原則欠勤とする会社もあります。

確認2|会社が休業を指示した場合の休業手当

会社が「今日は休業」と判断した場合は、休業手当の対象になるかが論点になります。労働基準法では、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上の休業手当が必要です。

ただし、厚生労働省のQ&Aでは、事業場の施設・設備が直接被害を受けた場合は不可抗力として休業手当の対象外になり得る一方、直接被害がなく鉄道・道路や取引先の影響で休業する場合は、代替手段や休業回避の努力などを総合的に見る考え方が示されています。会社が休みにしたから必ず休業手当、台風だから必ず手当なし、と決めつけず、会社の説明と就業規則を確認してください。

確認3|有給を使うように言われた場合の考え方

台風で出勤できない日に「有給を使って」と言われることがあります。年次有給休暇は本来、労働者が請求する時季に与えられるもので、厚生労働省のQ&Aでも「使用者に命じられて取得するものではありません」と整理されています。会社が一方的に、本人の意思を無視して有給扱いにするのは原則として慎重に見るべきです。

ただし、本人が希望して有給にする、または計画年休として労使協定がある場合など、扱いが変わるケースもあります。納得できないときは、「有給扱いになる根拠は就業規則のどこでしょうか」と確認しておくと、感情論になりにくくなります。

台風でも出勤を求められたときの3つの選択肢

台風の日に出勤を求められたときは、いきなり会社と対立するより、まず事実を共有し、扱いを確認し、記録を残すのが現実的です。そのうえで、同じことが何度も続くなら職場そのものを見直す材料になります。

選択1|上司や人事に安全面と勤怠扱いを確認する

最初にやることは、上司や人事に「安全な通勤が難しいこと」と「勤怠の扱い」をセットで確認することです。

たとえば、次のように伝えると整理しやすくなります。

本日○時時点で○○線が運休しており、自宅周辺でも強風が続いています。安全な通勤が難しいため、在宅勤務、時差出勤、特別休暇、有給、欠勤のどの扱いになるかご指示ください。運行状況は○時に再度確認して連絡します。

ポイントは、出勤したくない気持ちだけでなく、交通状況・安全面・代替案を一緒に出すことです。厚生労働省はテレワークを、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方と説明しています。事務作業など在宅で代替できる仕事なら、「出社できるか」だけでなく「在宅で業務できるか」も確認してよいポイントです。

選択2|出勤できない理由を記録に残して連絡する

電話だけで済ませると、あとから「そんな話は聞いていない」となることがあります。可能であれば、メールやチャットで、時刻、交通機関の状況、警報・避難情報、会社からの指示を残しておきましょう。

記録は会社を攻撃するためではなく、自分を守るためのものです。欠勤扱い、有給扱い、遅刻扱い、在宅勤務への切り替えなど、後から確認が必要になったときに役立ちます。

選択3|安全より出勤を優先する職場なら転職準備を始める

一度だけ判断が遅れた、災害対応の現場で人手が必要だった、というケースと、毎回「とにかく来い」で済ませる会社は分けて考えたほうがよいです。

台風でも危険を無視して出勤を求める、休む人を責める、自己判断と言いながら不利益にする、在宅勤務できるのに認めない。こうした運用が続くなら、その会社は働く人の安全を軽く見ている可能性があります。

すぐに辞める必要はありません。ただ、求人票を見て他社の働き方を比べる、在宅勤務や災害時ルールがある会社を探す、職務経歴書を更新するなど、社外の選択肢を持っておくと冷静に判断しやすくなります。

台風出勤に関するよくある質問

Q
台風で休むと欠勤扱いになりますか?
A

会社の就業規則や当日の指示によります。公式Q&Aでも、出勤できなかった日の賃金は就業規則などの定めがあればそれに従う考え方です。特別休暇、有給、欠勤、在宅勤務、時差出勤など扱いが分かれるため、休む前に「どの勤怠扱いになるか」を確認しておくのが安全です。

Q
電車が止まっても出勤しないといけませんか?
A

電車が止まったから必ず休める、とは一律に言えません。ただし、代替手段での通勤が危険な場合や帰宅困難が見込まれる場合は、安全面を根拠に会社へ相談すべきです。

Q
有給を使うように言われたら従うべきですか?
A

本人が希望して有給にすることはありますが、会社が一方的に有給取得を命じる扱いは原則として慎重に確認すべきです。年次有給休暇は、使用者に命じられて取得するものではないと厚生労働省Q&Aでも整理されています。就業規則、労使協定、会社の説明を確認しましょう。

Q
台風で出勤中に怪我をしたら労災になりますか?
A

通勤中の怪我は、状況によって通勤災害として扱われる可能性があります。ただし、合理的な経路や方法か、私的な寄り道がないかなど個別判断になります。事故が起きた場合は、会社と労基署に確認してください。

Q
帰宅困難になりそうなときはどう伝えればいいですか?
A

「出勤は可能ですが、午後から運休予定があり帰宅困難になる可能性があります。在宅勤務、早退、時差勤務のいずれで対応すべきかご指示ください」と、帰宅リスクまで含めて相談すると伝わりやすいです。

まとめ|台風出勤で見るべきなのは会社の安全感覚

この記事のまとめ

台風でも出勤指示があること自体が、すぐに違法・ブラックと決まるわけではありません。ただし、危険が具体的にあるのに通常出勤を求める、休む人を責める、勤怠や給料の扱いを説明しない会社なら、違和感を持ってよいです。

最初にやること

まずやることは、警報・避難情報・交通機関・道路状況を確認し、会社に安全面と勤怠扱いをセットで聞くことです。電話だけで終わらせず、できるだけ記録も残しておきましょう。

そして、こうした場面で会社がどんな判断をするかは、働き続けるかを考える材料になります。安全より出勤を優先する職場で消耗し続けているなら、社外の選択肢を少しずつ見ておくことも、自分を守るための行動です。

参考・出典リンク