「男性も育休を取れるのは分かるけれど、いつから何日取れるのか」「会社へどう切り出せばいいのか」「給料が減るのが不安」と迷っていませんか。
結論からいうと、男性は子どもの出生後8週間以内に最大28日間の「産後パパ育休」を取る方法と、原則として子どもが1歳になるまでの「育児休業」を取る方法があります。2つを組み合わせることも可能です。
この記事では、男性の育休について、取得できる時期・日数・給付金・会社への伝え方を順番に整理します。制度は2026年9月時点の厚生労働省情報をもとにしています。勤務形態や雇用保険の加入状況によって扱いが変わるため、最終的には勤務先とハローワークへ確認してください。
男性育休は一般的?取得率40.5%でも職場差は大きい
男性の育休は、もう一部の人だけが使う珍しい制度ではありません。厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は40.5%で、前年度の30.1%から10.4ポイント上昇しました。一方、まだ過半数には届いておらず、女性の86.6%とも大きな差があります。
つまり、男性育休は「一般化の途中」です。会社として制度を案内していても、上司や部署によっては「男性が育休なんて」「長く休まれると困る」という空気が残っていることがあります。制度があることと、気兼ねなく取得できることは別問題です。
育休取得に関する嫌味や圧力によって就業環境が害されないよう、事業主にはハラスメント防止措置が義務づけられています。言い出しにくい場合は、まず就業規則と社内窓口を確認し、いつ・誰に・何を言われたかを記録しておきましょう。
男性の育休は2種類|産後パパ育休と育児休業の違い
| 比較項目 | 産後パパ育休 | 通常の育児休業 |
|---|---|---|
| 取得できる時期 | 出生後8週間以内 | 原則、子どもが1歳になるまで |
| 取得できる日数 | 通算28日まで | 取得期間内で必要な期間 |
| 分割 | 2回まで | 2回まで |
| 会社への申出期限 | 原則2週間前まで | 原則1か月前まで |
| 給付 | 出生時育児休業給付金 | 育児休業給付金 |
「産後パパ育休」は男性だけの通称のように見えますが、法律上は出生時育児休業です。出産直後の負担が大きい期間に休みやすくする制度で、通常の育児休業とは別枠で利用できます。
たとえば、出生直後に産後パパ育休を2週間取り、いったん復帰したあと、配偶者の復職時期に合わせて通常の育児休業を取ることも考えられます。家族の事情と仕事の繁忙期を並べて、必要な時期を先に決めることが大切です。
男性育休はいつから何日取る?目的別の考え方
出生直後の手続きと生活を支えるなら2週間
出生届、退院、通院、夜間対応、家事の立て直しなど、出生直後に集中する負担を支えるなら、まず2週間を確保する考え方があります。ただし、配偶者の回復状況や里帰りの有無によって必要な期間は変わります。
産後パパ育休を最大限使うなら28日
産後パパ育休は、出生後8週間以内に通算28日まで取得できます。2回に分ける場合は、初回の申出時に2回分をまとめて申し出る必要があるため、取得日を決める前に人事へ確認してください。
配偶者の復職や保育園開始まで支えるなら通常の育休
1か月を超えて育児へ関わる場合や、配偶者の復職前後を支える場合は、通常の育児休業も候補です。原則として子どもが1歳になるまで取得でき、一定の事情があれば延長制度もあります。
短い育休が悪いわけでも、長ければ必ずよいわけでもありません。「何日休むか」だけでなく、休業中に何を担当し、復職後にどう分担するかまで夫婦で決めると、取るだけ育休になりにくくなります。
男性育休の給付金はいくら?2025年4月からの支援も確認
産後パパ育休では出生時育児休業給付金、通常の育児休業では育児休業給付金が支給対象になります。厚生労働省の2026年8月版Q&Aでは、一定の要件を満たす場合、休業開始時賃金日額の67%を基礎として計算されます。
さらに2025年4月から、一定期間に本人と配偶者がそれぞれ14日以上の育児休業を取得するなどの要件を満たすと、出生後休業支援給付金が上乗せされます。上乗せは休業開始時賃金日額×支給日数(上限28日)×13%で、育児休業給付の67%と合わせて80%です。
社会保険料の免除や給付が非課税であることなどを加味すると、厚生労働省は80%の給付を「手取り10割相当」と説明しています。ただし、支給額には上限があり、勤務先から賃金が支払われる場合や休業中に就業する場合は計算が変わることがあります。
- 給付金の申請主体と提出時期
- 会社から休業中に支払われる賃金
- 社会保険料が免除される期間
- 出生後休業支援給付金の配偶者要件
この4点を人事へ確認し、給付金が入るまでの生活費も準備しておくと安心です。初回振込が遅いときの確認順は、育児休業給付金の初回が遅いときの記事で整理しています。
男性育休を会社へ伝える時期と例文
制度上の申出期限だけを守るより、出産予定日が分かった段階で早めに相談する方が、引き継ぎと人員調整を進めやすくなります。まだ日程が確定していない時点では「取得を検討している」と共有し、正式な希望日は後から書面で出して構いません。
最初の相談で伝える4項目
- 出産予定日
- 希望する制度(産後パパ育休・通常の育児休業)
- 希望する開始日と終了日
- 引き継ぎを始める予定
上司へ相談する例文
配偶者の出産予定日が○月○日のため、育児休業の取得について相談したいです。現時点では○月○日から○月○日までを希望しています。業務への影響を減らせるよう、担当業務と引き継ぎ事項を今月中に整理します。申請手続きと必要書類について、人事も含めて確認させてください。
「迷惑をかけて申し訳ありません」から始める必要はありません。休業希望と引き継ぎ案を分けて伝えると、取得するかどうかが上司の好意で決まる話になりにくくなります。
男性育休の引き継ぎで決めること
- 休業期間中に止められない業務
- 代替担当者と承認者
- 取引先への連絡時期
- 緊急時に連絡を受ける範囲
- 復職日の確認方法
育休中も常時連絡へ対応する前提にすると、実質的に休めません。事前に「緊急」の範囲を決め、通常業務は代替担当者へ任せる形にします。産後パパ育休中に就業する場合は労使協定や本人の同意など条件があるため、口頭だけで働く日を決めないようにしましょう。
男性育休を取らせてもらえない・嫌味を言われたとき
「男性は取らない」「繁忙期だから無理」「評価が下がる」と言われても、まずは制度の対象になるかを人事へ書面で確認してください。育児休業の申出や取得を理由とする解雇・不利益な取扱いは禁止されており、育児休業等に関するハラスメント防止措置も事業主へ求められています。
- 希望期間と申出日をメールで残す
- 就業規則と社内申請書を確認する
- 上司だけでなく人事・労務へ相談する
- 解決しない場合は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談する
育休を相談しただけで継続的に不利益を受ける、復職後の働き方を話し合えないなど、会社への違和感が続く場合は、すぐ退職を決める前に社外の選択肢を比較しておく方法もあります。相談先の違いは、転職サービスの選び方で確認できます。
会社に残るか転職するかを、今すぐ決める必要はありません。まずは相談先ごとの違いと対象条件だけ確認できます。
男性育休に関するよくある質問
- Q男性は育休を何日取るのが一般的ですか?
- A
家庭の状況によって必要な日数は異なります。出生直後の支援なら2〜4週間、配偶者の復職まで支えるなら数か月など、休業中に担当することから逆算してください。
- Q産後パパ育休と通常の育休は両方取れますか?
- A
利用できます。出生後8週間以内に産後パパ育休を取り、その後に通常の育児休業を取得する組み合わせが可能です。申出期限と分割取得の扱いを勤務先へ確認してください。
- Q妻が専業主婦でも男性は育休を取れますか?
- A
配偶者が就業していないことだけを理由に、本人が育児休業を取得できなくなるわけではありません。出生後休業支援給付金についても、配偶者が無業者などの場合は配偶者の育休取得を要件としないケースがあります。
- Q育休から復帰せず退職すると給付金は返金ですか?
- A
退職しただけで、適正に受給した給付を一律に返金する扱いではありません。ただし、育休開始時から退職予定だった場合などは支給対象の考え方が異なります。詳しくは育休から復帰せず退職するときの記事を確認してください。
まとめ|男性育休は日数より「いつ何を担当するか」を決める
男性の育休は、出生後8週間以内の産後パパ育休と、原則として子どもが1歳になるまでの育児休業を組み合わせられます。給付金だけで判断せず、出産直後・退院後・配偶者の復職時期のうち、どこで家族の負担が大きくなるかを先に確認してください。
- 希望期間を夫婦で決める
- 会社へ早めに相談し、申出期限を確認する
- 給付金が入るまでの家計を準備する
- 引き継ぎと復職後の働き方を文書にする
育休後の退職をすでに考えている場合は、育休中・育休後の退職理由と伝え方もあわせて確認してください。














